「画竜点睛」はよく知られている成語だ。竜に睛(ひとみ)をかき込んだところ、風雲生じて竜は忽ち天に昇った―という故事から、最後に大切な部分を加えて物事を完成させる意味として使われる。唐の呉道子は画竜不点睛、「点睛すれば竜が昇天するからだ」と言い、晋の顧恺之の人物画も点睛しないことが多い。人からそのわけを問われ、「点睛すればその人物がものを言い出す」と笑ったという。いずれも諧謔だが、顧の絵画に対する持...
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「画竜点睛」はよく知られている成語だ。竜に睛(ひとみ)をかき込んだところ、風雲生じて竜は忽ち天に昇った―という故事から、最後に大切な部分を加えて物事を完成させる意味として使われる。唐の呉道子は画竜不点睛、「点睛すれば竜が昇天するからだ」と言い、晋の顧恺之の人物画も点睛しないことが多い。人からそのわけを問われ、「点睛すればその人物がものを言い出す」と笑ったという。いずれも諧謔だが、顧の絵画に対する持...