百霊廟(パイリンミヤオ)―それはなじみの深い町でもあるが、まったく見知らぬ町でもある。わたしは少年のころ、地理書でこの町のことを知った。蒙古草原のこのちいさな町については、またさまざまのめずらしい伝説もよく耳にした。そのころから、わたしの頭にえがく百霊廟はいつも神秘のべールをまとっていたように思う。そのご、徳王(トーワン)の反乱、日本侵略軍の進攻、綏遠(スイユワン)東部の抗戦運動といった一連の政治...
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百霊廟(パイリンミヤオ)―それはなじみの深い町でもあるが、まったく見知らぬ町でもある。わたしは少年のころ、地理書でこの町のことを知った。蒙古草原のこのちいさな町については、またさまざまのめずらしい伝説もよく耳にした。そのころから、わたしの頭にえがく百霊廟はいつも神秘のべールをまとっていたように思う。そのご、徳王(トーワン)の反乱、日本侵略軍の進攻、綏遠(スイユワン)東部の抗戦運動といった一連の政治...