武漢につくと、はじめてここをおとずれる人びとがほとんどいいあわせたようにたどるコースをとつて、私は揚子江をわたり、東岸の蛇山へむかつた。そして山のいただきにある黄鶴楼にのぼつた。ここはかつて多くの詩人が詩にうたつた景勝の地だ。私はここから眼下にひろがる武漢市とその郊外の景色をながめた。まだ朝はやくであつた。市內を貫流する雄大な揚子江の流れは、空の色とひとつにとけあつて、太陽ののぼるかなた、東の方へ...
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武漢につくと、はじめてここをおとずれる人びとがほとんどいいあわせたようにたどるコースをとつて、私は揚子江をわたり、東岸の蛇山へむかつた。そして山のいただきにある黄鶴楼にのぼつた。ここはかつて多くの詩人が詩にうたつた景勝の地だ。私はここから眼下にひろがる武漢市とその郊外の景色をながめた。まだ朝はやくであつた。市內を貫流する雄大な揚子江の流れは、空の色とひとつにとけあつて、太陽ののぼるかなた、東の方へ...