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Your search : [ author:秦 泥] Total 114 Search Results,Processed in 0.098 second(s)
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1. ほほえむ山々
この七月、わたしは、以前からその名を耳にしていた建明(チエンミン)人民公社を尋ねた。この公社は、河北(ホーペイ)省遵化(ツンホワ)県にある。ここは有名な万里の長城の南にあたり、いぜんは、ほとんど外部からしや断され、ひじようにたちおくれたまずしい山地だつた。一九五二年、二三戸の貧農がはじめての初級農業生産協同組合をつくつたころ、組合の財産といえば、やせた土地と、三本のロバの足([注释1])だけだつた
Author: 秦泥 Year 1961 Issue 10 PDF HTML
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2. 果物屋から果樹園へ
中秋節のくだもの市場さいきん、ほかの用事があって、ひさしぶりに西単(シータン)を歩いてみた。いつのまにか、西単広場に、大きな日よけができている。西単は北京(ペイチン)市内の西の目抜き通りだけにいつもにぎやかなところだが、日よけのできたあたりのにぎわいといったら格別だった。好奇心にかられて、のぞいてみたら、商業局がその中に臨時に設けたくだもの店だった。十何人の店員が忙しそうにはたらいている。どっさり
Author: 秦泥 Year 1962 Issue 11 PDF HTML
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3. 集団経済の強味―東郭村をたずねて
わたしのめざす村は東郭(トンクオ)だった。一〇〇〇余名の住民と二〇〇〇ムー(一ムーは六·六六七アール)の土地をもつ村で、山東(シヤントン)省曲阜(チユイフー)県陵城(リンチヨン)人民公社の生産大隊のひとつ。曲阜は人も知る古代中国の大哲学者孔子のふるさとである。その曲阜の東南ほぼ八キロのところに東郭がある。村を漫歩する昨年の暮れのある昼さがり、わたしは東郭についた。村は静まりかえっていた。冬の農閑期
Author: 秦泥 Year 1963 Issue 2 PDF HTML
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4. 中国五大湖のひとつ―太湖のほとり
二千二百平方キロあまりの広さがある太湖は江蘇省と浙江省の二つの省にまたがり、中国の有名な五大淡水湖[注释1]の一つである。長江(揚子江)や銭塘江などの川の流れが、長年土砂を東海にもちはこび、それらが堆積されて江南一帯の肥沃な地をつくり、とりのこされた海が湖となったのが今日の太湖なのである。太湖の景色はその豊富な物産と同様に五大湖の中でも屈指のものといえよう。去年の秋もなかばを過ぎたころ、私は美しく
Author: 秦泥 Year 1974 Issue 3 PDF HTML
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5. 山奥の鉄鋼コンビナート
渡口市への旅北京から飛行機で西南にとぶこと三時間で成都につく。ここは中国各省のなかでもいちばん人口が多い四川省の省都である。成都から「成昆」(成都―昆明)鉄道で南下し、こんどの旅行の目的地である渡口市に到着した。渡口市はここ数年らいはじめて地図に名前がのるようになった新しい工業都市である。四川省と雲南省の境にあるが、この新しい町が、この地区の新しい鉄鋼工業基地である攀枝花(パンヅホワ)鋼鉄公司の出
Author: 秦泥 Year 1979 Issue 7 PDF HTML
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6. 杜牧の「杏花村の酒家」はいま…
清明時節雨紛々, 路上行人欲断魂。 借問酒家何処有? 牧童遥指杏花村。 清明の時節、雨紛々(ふんぷん)、 路上の行人、断魂を欲す。 借問す酒家は何処(いずく)にありや、 牧童
Author: 秦泥 Year 1981 Issue 3 PDF HTML
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7. 封建王朝の夢のあと―金陵
南京は、むかし金陵といった。紀元二二九年から五八九年までの三百余年間、あい前後して、呉、東晋、宋、斉、梁、陳など六代の都として登場したので、歴史上、六朝の古都とよばれている。そこは、長江の南岸で、周囲が山々にかこまれている。麗しい景色、山河のたたずまい、そして劇的な悠久の歴史に満ち、千数百年らい、歴代の詩人によって詩歌にうたわれつづけてきた。こうした金陵をたたえる古い詩のなかには、筆者の好きな中唐
Author: 秦泥 Year 1981 Issue 5 PDF HTML
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8. 煙花三月揚州に下る
李白の足跡に沿って春分がすぎたばかりである。乗りこんだ長江航運公司の汽船が武漢港をあとに長江を下っていくと、私の心には、おのずと唐代の大詩人李白(七〇一~七六二)の「黄鶴楼送孟浩然之広陵」(黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之(ゆ)くを送る)が浮かんできた。いうまでもなく、これは、李白が、武昌の黄鶴楼で、広陵(揚州のこと)に向けて旅立つ友人を見送ったときの詩である。故人西辞黄鶴楼,煙花三月下揚州。 孤帆遠影
Author: 秦泥 Year 1981 Issue 6 PDF HTML
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9. 西湖の詩情 山外青山楼外楼…
昨年の中秋節(九月二十三日)のころ、筆者は浙江省の省都·杭州にいた。ふだんでも、美しい西湖を訪れる人は少なくないが、この祝日になると、遊覧客がわっとおしかけてたいへん賑やかである。杭州人の敬愛する二人の詩人それにしても西湖は、何度遊んでもあきないところだ。どんな季節、どんな日でも、天から恵まれた独特なたたずまいで訪れる人を傾倒させる。北宋の大詩人、蘇東坡(一〇三六~一一〇一)の「飲湖上初晴後雨」(
Author: 秦泥 Year 1981 Issue 7 PDF HTML
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10. 尽(つき)ざる長江滾々(こんこん)として流る
「盛唐の気象」を映した詩唐詩、ことに盛唐の詩人の作品を鑑賞することは、私たちの芸術心を楽しませてくれるほかに、情操をつちかい、生活に活力と自信をつけるうえでも役に立っている。王湾が後世に伝えた詩はさほど多くはないが、なかでも「北固山下(ほくこさんか)に次(やど)る」という詩は、千古に伝わる傑作であるといえる。客路青山外,行舟緑水前。 潮平両岸闊,風正一帆懸。 海日生残夜,江春入旧年。 郷書何処達?
Author: 秦泥 Year 1981 Issue 8 PDF HTML