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Your search : [ author:李順然] Total 165 Search Results,Processed in 0.104 second(s)
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1. わたしの北京風物誌 一月
わたしは東京で生まれ、東京で少年時代、青年時代を送りました。そして二十歳の時に北京にやってきたのです。
Author: 李順然 Year 1986 Issue 1 PDF HTML
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2. わたしの北京風物誌 二月
盆と正月日本には「盆と正月が一緒にきたようだ」という言葉があります。「非常にいそがしいことのたとえ、うれしいことが重なることのたとえ」と辞典は解釈していますが、二月の北京はちょっとこんな感じの月といえましょう。ただでさえ二十八日か二十九日しかないこの月には、十年のうち八年といった割合で、中国ではいちばんにぎやかな祝日「春節」―旧暦のお正月がやってくるからです。そして、この「春節」を中心に旧暦の大晦
Author: 李順然 Year 1986 Issue 2 PDF HTML
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3. わたしの北京風物誌 三月
衣が乱れる北京には「二月、八月は衣が乱れる」ということばがあります。ここでいう「二月」「八月」は旧暦で、新暦ではだいたい「三月」と「九月」にあたります。三月と九月の北京は気候の変わり目で、市民の服装が乱れる、つまりまちまちになるというのです。そういわれて注意してみると、たしかに三月の北京市民の服装はまちまち―乱れています。綿入れを着たおとしよりがいるかと思うと、セーター姿の娘さんもいる、はてはワイ
Author: 李順然 Year 1986 Issue 3 PDF HTML
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4. わたしの北京風物誌 四月
黄塵万丈北京の四月には、強い風がつきものです。だいたい五日に一回は、強い北西の風に見舞われる計算になるそうです。三十年も前のことですが、わたしが北京に来たばかりのころには、北京の空が一年に一、二回、この北西の風のはこんでくる砂ぼこりにおおわれ、文字どおり「黄塵(こうじん)万丈」、砂ぼこりが太陽の光をさえぎってしまい、まるで皆既日食の日のように暗くなり、昼間でも電灯が必要になった日があったのを覚えて
Author: 李順然 Year 1986 Issue 4 PDF HTML
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5. わたしの北京風物誌 五月
北京のメーデー北京の五月は、一日のメーデー(五一(ウーイー)節。五一国際労働節)で幕をあけます。北京ではじめてメーデーの行事がおこなわれたのは、一九二〇年の五月一日でした。先日、ふと目にとまった『日本百年の歩み』という年表の一九二〇年、つまり大正九年の五月二十日のところに「日本最初のメーデー、上野公園で挙行」とかかれていました。北京と東京の最初のメーデーは、はからずも同じ年―一九二〇年だったという
Author: 李順然 Year 1986 Issue 5 PDF HTML
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6. わたしの北京風物誌 六月
合歓と茉莉花五月のライラック、アカシア、バラ……に続いて、六月は合歓(ねむ)と茉莉花(まつりか)が北京の街に快い香りを漂わせてくれます。六月の北京の街を歩いていますと、よくほんのりとした甘い香りに気がつきます。足をとめてあたりを見まわすと、傘をひらいたように枝を伸ばした合歓の木がうす桃色のふさふさとした可愛らしい花をつけて涼しい木陰をつくっているのです。わたしの毎日の通勤の道すがらにも、五十メート
Author: 李順然 Year 1986 Issue 6 PDF HTML
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7. わたしの北京風物誌 八月
篠つく雨先月の「わたしの北京風物誌」では、北京のいちばん暑い月を七月としました。これは寒暖計にしめされた数字について言ったので、八月上旬の肌に感じる暑さは七月にひけを取りません。立秋を過ぎれば、暑さも、もう残暑というべきなのでしょうが、こうした暑さとともにやってくるのが大雨です。一年の平均降雨量が約六百四十ミリと雨が少ない北京(東京は約千五百ミリ)、この少ない雨の六、七十パーセントが七月と八月、と
Author: 李順然 Year 1986 Issue 8 PDF HTML
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8. わたしの北京風物誌 九月
北京秋天中国では、一般に五日間の日平均気温十度から二十二度までを春、秋としています。この規準ですと、北京の秋は九月八日から十月二十二日までの四十五日間、春は四月一日から六月四日までの六十五日間となり、夏は六月五日から九月七日までの九十五日間、冬は十月二十三日から翌年の三月三十一日までの百六十日間となります。一年四季のうちで秋がいちばん短いのです。この一年でもいちばん短い秋、それは北京のいちばん美し
Author: 李順然 Year 1986 Issue 9 PDF HTML
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9. わたしの北京風物誌 十月
国慶節十月一日は中華人民共和国の建国記念日です。中国では「国慶節(グオチンジエ)」といっていますが、政府機関、企業、工場、学校は二日間の連休、前後の日曜日を繰り入れて三日間連休、四日間連休というところもあります。国慶節というと、すぐに頭に浮かぶのは北京の中心にある城門―天安門でしょう。一九四九年の十月一日、毛沢東主席がこの城門の上から中華人民共和国の誕生を宣言し、天安門は新中国のシンボルとなったの
Author: 李順然 Year 1986 Issue 10 PDF HTML
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10. わたしの北京風物誌 十一月
みどりの落葉十一月の声を聞くと、森の都北京のみどりも一日一日と姿を消していきます。こうしたなかで、かなりおそくまで枝にしがみつくようにして葉をつけているのは、ポプラです。見たところ、まだ緑をだいぶ残したまま……。ところが、ある朝のことです。目をさましてみると、夜来の強い風にたえられなかったのでしょうか、このポプラが葉を落としてしまっているのです。その落葉を一枚そっと拾って手にとると、まだみどりをか
Author: 李順然 Year 1986 Issue 11 PDF HTML