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Your search : [ author:本誌·郭伯南] Total 13 Search Results,Processed in 0.092 second(s)
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1. 鱠
外国人が北京へ行くと、一度はペキンダックを食べるし、日本へ行くと、それがサシミになる。国の味というものだろう。だが、ペキンダックの歴史は、せいぜい数百年のものだ。いっぽう、魚を生で食べる習慣は、中国にも三千年前からあり、これを「鱠(かい)」といった。古代中国のいわば国の味だった。「人口(じんこう)に膾炙(かいしや)」の膾である。膾(かい)は生の細切りの魚肉、炙(しや)は焼肉。膾はのちに鱠(かい)と
Author: 本誌·郭伯南 Year 1989 Issue 2 PDF HTML
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2. 名片―名刺
中国でも最近は名刺が広く使われるようになった。名刺は互いの感情を結び友誼の橋渡しをするので「透明な使者、春の書簡」といわれる。ところが、この使者の氏素姓は、使っている人自身、あまりよく知らない。中には舶来品と思っている人もいるが、じつは、名刺は中国に生まれ育って、長い歴史を持っている国産品なのだ。「名刺」という日本語も、中国から伝わっていったものだ。中国の名刺は、謁(えつ)、刺、帖、片と呼ばれるい
Author: 本誌·郭伯南 Year 1989 Issue 3 PDF HTML
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3. 符牌―割り符
割(わ)り符(ふ)は、昔も今も一種の証拠として広く使われている。町で自転車を預けるとき、クロークルームにコートを預けるとき、駅で手荷物を預けるとき、みな、いろいろなものを使っている。銀行預金のカードもそうだ。 材料や形式はまちまちだが、大体は二つ一組だったり一つを二つに割ったりして使う。番号を打ったり、合わせ目に印を押したり、契約書や紹介状の本文と控えに類似するものもある。こういう方式は、中国では
Author: 本誌·郭伯南 Year 1989 Issue 5 PDF HTML
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4. 三国時代の科学のナゾ
中国の古代、三国時代(二二〇~二六五)の科学のナゾといえば、すぐ思い浮かぶのが諸葛亮の「木牛流馬」である。これは戦いのとき輸送車として使われたものだ。数年前、この木牛流馬を複製した人がいた。押すと動き、秦川(しんせん)古道での実地テストにも成功はしたが、重い物をのせて遠くまで運ぶことはできなかった。諸葛亮のそれには及ばなかったわけで、このナゾは、まだすっかりは解明されていない。ここに紹介する「朱然
Author: 本誌·郭伯南 Year 1989 Issue 6 PDF HTML
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5. 指紋
指紋は神秘的で、人をひきつける。小さいとき、姉が私の指先を調べたことがある。指紋が渦になっているのは「斗(と)」で、流れているのは「簸箕(はき)」で「斗が一つきりだと貧乏、二つならまあまあで、三つも四つもあれば質屋が開ける」といったが、私のは全部流れていた。斗はものを汲みとるひしゃく、簸箕はものをあおり出す道具の唐箕(とうみ)だ。姉が「お前は金持ちにはなれない。お金が入ってもすぐに風に乗って飛んで
Author: 本誌·郭伯南 Year 1989 Issue 6 PDF HTML
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6. 傘
傘は、ありふれた生活用具だが、世界文化史の上では、日本の扇子と同様に、東方人の知恵の結晶と見られているものだ。傘の故郷は東洋、それも中国だとされるが、傘の起源は一つではなく、中国でいつ始まったかも、まだ分かっていない。黄帝の雲気―傘の始まり中国文化の中で、起源のはっきりしないものは、古来しばしば「人文の祖」である黄帝の功とされるが、この傘(さしがさ)もその一つだった。西晋の崔豹(さいひよう)はその
Author: 本誌·郭伯南 Year 1989 Issue 9 PDF HTML
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7. 枕(上)
これまで、枕のような日常に使う物は「文化」とみなされることがまれで、近世になっても、服飾、衣冠の大著が多い中に枕には席が与えられていない。三国時代の呉の張紘が、その著『枕賦』の中で、枕と冠をあわせて論じ「冠は昼用、枕は夜用、ともに頭の用品で、昼夜の差があるだけだ」としているのが比較的公平なぐらいだ。古礼では、靴を枕の上に置くことは許されなかった。枕は尊いものとされ、たとい新しい靴でも靴は卑しく、尊
Author: 本誌·郭伯南 Year 1989 Issue 10 PDF HTML
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9. 百家争鳴(中)
前回は儒家(じゆか)と道家(どうか)についてお話しした。 今回は墨家(ぼつか)、法家(ほうか)と兵家(へいか)に触れることにしよう。兼愛と非攻―墨家の指導者、墨子墨家という学派を開いたのは墨子である。1 墨子の生涯
Author: 本誌·郭伯南 Year 1993 Issue 2 PDF HTML
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10. 枕(下)
上編では角枕、方枕、虎枕をとりあげて、その起源と神秘性をさぐったが、この編では薬枕、医枕、脈枕、警枕を考えてみよう。多くは健康のための枕だが、その中には枕文化の上からみておもしろい話がある。猶有余香入―薬枕薬枕は、眼病、頭痛、感冒、高血圧、リューマチ、老年性気管炎、神経衰弱、不眠、多夢などに効果があるので、種類が多い。菊花枕、豆枕、麝香枕、磁石枕、琥珀枕等々、順に見て行こう。菊花枕。南宋の詩人林亦
Author: 本誌·郭伯南 絵·岳峰 Year 1989 Issue 11 PDF HTML