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Your search : [ author:文·李順然
え·于叔方] Total 101 Search Results,Processed in 0.095 second(s)
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1. 「福到」
「おや、福の字がさかさまになっている。ミスかな……」と思われる方もおられるかも知れません。ミスではありません。意識的に福の字をさかさまにしたのです。お正月の北京の街ではこのさかさまの福の字をよく見かけるのですが、これは中国では「福到」―「福到(ふくいた)る」という縁起のいい「文字」なのです。さかさまという意味の「倒」と到るという意味の「到」は、中国語の発音ではいずれも「ダァオ」、これをもじって福の
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 1 PDF HTML
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2. 羊年談羊
羊年談羊―「ひつじ年にちなんで羊を語る」、これが今月のタイトルです。本誌一月号の「食べもの、飲みもの」欄にも似たようなタイトルがあったのを覚えている方もおられることでしょう。わたしのこの雑文は、あそこからヒントを得たもので、姉妹篇とでも思って読んでいただければと筆をとっています。今年は十二支のひつじ年、羊(ひつじ)という字(象形文字カット参照)の下に「大」と書くと「美」という字になりますが、まず今
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 2 PDF HTML
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3. 佳能·施楽
北京放送の東京支局長として二年半ほど日本に行っていて北京を留守にしているあいだに、北京はだいぶ変わりました。もちろん、わたしの好きな北京は以前のままの姿でわたしを迎えてくれていましたが……、あちこちに出来たビル、立体交差、高速道路、テレビ塔……、一九五〇年代の城壁取り払いから教訓を汲み取ったのでしょう、こうした建設が北京という古都の美しさを損なわないようにかなり気を配られながら進められているのはう
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 3 PDF HTML
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4. 踏青·春游
二十四節気の清明(四月五日ごろ)が近づくと、わたしの勤め先北京放送の日本語部では春のピクニックが話題になります。遠くに出かけることを主張する「若手行動派」の唐莉莉アナウンサーたち、「虚」より「実」という「花より団子派」の中年女性グループ(失礼!)、そしてその調停役を勤める労働組合の陳さん……、だいたい折衷案が通るのが毎年の習わしとなっているようです。「草色青青柳色黄(そうしよくせいせいりゆうしよく
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 4 PDF HTML
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5. 戈と武
今年の一月二十九日の深夜のことでした。北京放送東京支局の陳風君から「井上靖先生がさきほど亡くなられました」という電話を受けとったのです。電話を聞きながら頭に浮かんだのは「美しく老いたい」という井上靖先生のことばでした。「井上先生は人々から惜しまれつつ実に美しく逝かれた」―わたしはそんな気持ちで受話機を置いたのです。井上靖先生に最後にお目にかかったのは、メモをみると一九八九年の五月二日となっています
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 5 PDF HTML
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6. 張三李四
茉莉花(まつりか)の白く香るや四合院(スウホウユアン)北京放送の東京支局長をしていたころのことです。NHKのテレビで『太郎の国の物語』という番組をみました。明治国家について語る司馬遼太郎さんのトーク番組です。この番組のタイトルについて司馬遼太郎さんは「英国を『ジョンの国』と考えてもいいし、ロシアは『イワンの国』、中国の場合は―ちょっと語感はちがうが―『張三李四(チヤンサンリースウ)の国』かも知れず
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 6 PDF HTML
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8. 「簡体字」
先日のことです。北京の本屋さんで『二十一世紀―漢字が威力を発揮する時代』というタイトルの本を目にしました。この本に収められた数編の論文は「コンピューターなどの近代科学の進歩は、漢字に活路をもたらす可能性を秘めている」ということから話をおこし、「単純に漢字は後れた文字で中国の前進の重荷になっているとかたづけてしまう論調は再検討すべきだ」と説き、「漢字にたいする公正な、客観的な再認識」を求めていました
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 8 PDF HTML
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9. 書と本
中国では一般に五日間の平均気温十度から二十二度までを春とし、また秋としています。この規準ですと、北京の秋は九月八日から十月二十二日までの四十五日間ということになります。宋の詩人楊万里(一一二七~一二〇六年)が『感秋』という詩で「書冊は秋に読む可く、詩句は秋に捜す可し」と歌っているように、中国でも秋は読書の季節、今回は読書にちなんだお話です。中国旅行の魅力の一つは、筆談である程度意志が通じることだと
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 9 PDF HTML
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10. 登高·秋游
四月号の第四話のタイトルは、「踏青(タアチン)·春游(チユンヨウ)」でしたね。「春游」とは春のピクニックのこと、昔はこの春游のことを「踏青」―青青と萌えでた若葉を踏む―とも言っていたそうです。四月の北京は「梨(り)花(か)は淡白(たんぱく)にして柳(やなぎ)は深青(しんせい)、柳絮飛(りゆうじよ)ぶ時花城(はなしろ)に満(み)つ」(宋·蘇賦―一〇三六~一一〇七年)といった春景色に溢れていました。あ
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1991 Issue 10 PDF HTML